「流れる雲よ」の千秋楽に伺いました。
この舞台は14年続いている演劇で
当初は「飛行機雲」というタイトルでやっていました。

ストーリーは第二次世界大戦、終戦間際の特攻隊のお話。
何度みても、ずぅーっと泣きっぱなしです。
ただ戦争を描いたストーリーではなく
ラジオでお仕事するDJの方々ならではの
ストーリー展開になっています。
戦争当時のおはなしって
今の私たちからすれば
どうして、そんな死に方を選ぶの?
どうして断らないのか?イヤじゃないの?
お国のためとか言って、ホントにそう思ってたの?
など、疑問に思うことが多いし
例えば今、徴兵とかがあったり
特攻で死ねって言われたら
「やだね」「かんけーねぇ」って
行かない人が多いんじゃないかと
私は思うのですが
特攻隊にいた若い方々が
本当は死にたくないという思いをたくさん持ったまま
それでも、どうして特攻隊として逝ったのか
ものすごく感情移入して
想像ができる内容になっています。
私は以前、元旦に靖国神社のお隣のホテルで
お客様が新春の朝食を召し上がる間
着物で箏曲を演奏するお仕事をしたことがあるのですが
そのときにたまたまお話した老夫婦のことが
忘れられません。
正月は毎年、このホテルで過ごすというこのご夫婦。
いいですね〜と声をかけた私に返って来た言葉は
「私の一緒に戦った戦友達が
靖国神社に祀られているんだ。
毎年、正月は靖国神社にお参りに行くために
ここに泊まっているんです。
あいつらの写真は、今でも若いまま
私だけが、こんなに年を取ってしまった・・・」
そう言って、お2人して潤んだ瞳で
じっと私のことを見つめられました。
そして、少しだけ
当時の話を、してくれました。
ものすごい衝撃でした。
今、靖国神社に祀られているそのとき若くして亡くなった方々は
いろんなやりたいことや、希望も夢も
たくさん抱えたまま、国のため・・・
それは、自分の家族や大切な人が
平和に暮らせるため・・・
戦争で命を落としていった。
だけど、この方は、当時のいろんな思いをたくさんたくさん抱えたまま
この年まで、一生重荷を背負って生きてきた。
どちらも、自分の責任で起きた出来事ではなく
本来の動物の命として考えた時に
しなくてもいい想いをし、しなくてもいい苦しみを味わって。
たった68年前に、日本人が体験したこと
そしてそこから、いろんな思いをしながら
日本を立て直して来てくれた人達の想い
大切に、感謝しながら
暮らしていかなきゃいけないな、と思う。
平和ボケしていると言われていた日本には
震災後、思いやりが溢れたし
がんばっていこう、という結束力が生まれたと思います。
でも、68年前に大勢の人達が殺され苦しめられ
今もなお、後遺症に苦しんでいる人もいる原爆のことも
今だからこそ、もっと考えていかなきゃいけないと思う。
というのは、唯一の被爆国である日本が
あんなに大きな原発事故を起こし
それでもなお、必要のない電気を作るため
原発を再稼働させようとしている。
もっと、ゆるりと、くらせばいいじゃない
だって戦わなくていいんだもの
平和に暮らせているんだもの、それだけで充分じゃない?
戦争や原爆のことを考える時
同時に、原発についてまで考えが及んでしまう
そんな今の時代は
未来からみたら、どんなふうにうつるのかな・・・