私のところに習いにいらしている方々は
中には初心者もいらっしゃいますが
本気で箏と向かい合いたい
すでに他の師匠についたいるのだけど
POPSや私のような曲を弾きたい
箏で自分で作曲・編曲して弾きたい
という方もいらっしゃいます。
よくお問い合わせを頂くのですが
私の楽曲は、販売しておりません。
それは作曲した私の手を離れ
私の想いと違うカタチ・勝手な解釈で弾かれてしまうのがイヤという
私のワガママからです。
絵の場合、アーティストの手を離れても
形を変えずにそのまま、とっておけるけれど
音楽は、もしかしたら想いだけは通じても
譜面だけではなかなか奏法や表現は伝わらないし
まったく音楽がかわってしまうこともあります。
そんなことで販売をしていないのですが
先日、あぁこの方にだったら
私の曲も教えていってもいいなぁ!と思いました。
その方は、本当に遠くから飛行機で通って下さっているのですが
それだけの熱意をお持ちなので
こちらがお伝えすることの吸収力はハンパなく
私の一言、一音も聞き漏すまいと
身体全体、心いっぱいで私の音に向き合って下さいます。
もともと学生の時に音楽を専門的に勉強していたこともあり
練習の仕方も、おそらく普通より効率的なやり方なのでしょう
ここはこういう風に弾くといいんじゃない?とお伝えした個所も
次のレッスン時にはしっかり習得し
他の表現も試したりの研究までしていらっしゃる程。
それだけの方なので
この数年で、地元においてお仕事を頼まれることが出てきました。
そのためのアレンジや奏法などを、レッスン時にお手伝いするのですが
それ以上のがんばりとセンスで、毎回良い作品が出来上がり
ステージでの演奏もきっと素晴らしいものに仕上がっているのでしょう
その後も続けて、どんどんお仕事を頼まれるようになってきました。
これは私にとっても、本当に本当にうれしい話です

そんな彼女のがんばりを見て
先日作曲していらした新しい曲を見ていたら
少しずつ、私の作品もお伝えしてみたくなりました。
もちろん彼女は作曲家でもあるので
どんどん新しい作品を作って、箏で弾いていってほしいし
私がなかなか伺えない地域なので
そういう場所で、箏の良さを伝えていってほしいし
音楽のあったかさをどんどん広げていってほしいとおもっています。
こういう嬉しさって
自分がステージで頂く拍手とはまた違う嬉しさ!
最初、私はステージに立つことが1番好きで大切なことだったので
個人的に教えることは、まったくしていませんでした。
でも、熱心に教えて欲しいと言って下さる方々のお話を聞いているうち
1対1であっても、音を伝えるということには変わりないのでは?
と思うようになり、現在に至っています。
私が死んだら私の音楽も終わり。
伝統音楽と違い、私のポリシーは今でもこれです。
CDなどで残ったとしても
それはその場その時の、空気を通じて、直に伝わるものとは違う
いわば、再現。
だけど、私が直にお伝えした方が
何かしらご自身の音楽に影響を受けて下さって
さらに新しいカタチを生み出していってくれたら
おもしろい!と思うし、すっごく楽しみ!