2009年04月30日

心構え

昨日は「箏を弾きたい!」と

集まって下さっている方々の

年に1度の勉強会でした。

もちろんこれは私が始めたものではなく

母が自分のお弟子さんの勉強のために

スタートしたものですが

25回目、つまりスタートして

25年経ったというわけです。

そこに、いつのまにか

私のところに集まって下さるようになった方々も

一緒に加わってという形になってきました。


25回目と言っても、いつもと何も変わりません。

お箏など邦楽の会というと

1舞台(1曲)弾くのに何十万という

ものすごく莫大な金額の会費がかかると思われがちですが

うちではそういうことはしたくないというのが

私と母の考え。

場所も25回目だからといって大きなホールではなく

いつもと同じ広〜い和室を1日借り

大きくかかるものとしては

助演して頂く尺八の先生への演奏料のみ。


今までに、他で邦楽の舞台の経験がある方や

箏を始める時に、周りの方々から

「大変だよ〜お金かかるよ〜!」と

言われたという方は

うちのやり方を聞いたときに

正直、拍子抜けというかびっくりした

とおっしゃるのですが

その分、うちのその勉強会の発表の場所は

他では味わえない経験となるようです。


というのは、どんな初心者であっても

「1人1舞台」ずつ

責任を持って作ってゆくやり方の勉強会だからです。

フラットな場所ですから

演奏者とお客様はすぐ近くで向かい合わせ状態。

もちろんすべての音は「生音」です。

緊張している人の息づかいまで、聞こえてしまう距離。

そんな中で、誰も助けてくれません・・・!

たとえ失敗しても

その場を自分で対処しないとならないんですよね〜。

たいていの人は、おうちで完璧に弾けていたとしても

そういう本番の場所では

いろいろ、いろいろ、コトが起こります(^^;)


練習の時に

いろいろなシチュエーションを想定して練習してきた人と

そうでない人とでは、その対処が違います。



練習の時、音を間違えて弾いてしまったとします。

たいていの人は、そこをちゃんと弾き直してから

その先へ進みます。


正解とは違う音が出てしまったときでも

たとえ譜面を見誤って、1行飛ばして弾いてしまったときでも

音を止めずに、流れを止めずに弾くという練習をした人は

舞台上でのミスも、流れの中にしっかりと組み込んで

さらには違う音であっても

それを「音楽」にしてしまうことができます。


練習時、実際には起きなくても

「糸が切れたらどうする?」とか

「爪が飛んでいっちゃったらどうする?」と

1度でも考えて想像してみた人は

本番中にもしそれが起こっても

それほどびっくりしませんし

少なくともパニックにはなりません。

というか、想像した人はちゃんと代えの爪を

すぐ横に置いています。



それと、1度舞台でした失敗は

次の舞台では「過去の経験」という

ありがたい教示になっています。


前に失敗したあと

ちゃんと「あぁ〜っ!こうすればよかった〜っ!」と

頭の中で想像、シュミレーションをした人は

前と同じようなミスがあった時

2度目は1度目ほど慌てません。

というか、なんなくそれを乗り越えてしまいます。


「準備」とは、物を準備するということだけではなく

要は「心構え」なんですね〜。

準備をしっかり出来ている人

それは想像力をはたらかせて

いろんなことに備えている人のようですよ!



私はひたすら裏でみんなが弾く楽器のチューニング、

そして時々伴奏者、という1日でしたが

その中でも、いろんな方のステージをちょこちょこ見ながら

私にとっても、とっても勉強になった1日でした!

posted by 宮西 希 at 17:45| Comment(0) | 希の考察
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]