2010年03月28日

音楽をやってゆくという環境

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昨日長野で行なわれた「むつのを」の公演。

(写真はリハ時のものです)

この団体は未来に邦楽の音を残そう!というコンセプトで

もう20年以上活動しています。


舞台裏では主催の先生の背中に、順番に赤ちゃんが背負われます。

子どもを産んでもステージに立つ環境を

先生はしっかり守ってくださっています。

何年も見ている光景ですが、とても微笑ましい光景です。

また私たちになるべく負担にならないように・・・と

リハ日にはおにぎりをたくさん握ってくださったり

主催の先生の大きさ、あたたかさには頭が上がりません。


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私も、邦楽界で活躍する方々とご一緒させて頂くステージは

そんなに数多くないので、久々でとても楽しかった!

前日入りでリハだったのですが、夜もみんなといろいろ語り合いながら

とっても楽しい2日間でした!




ところで「長野県県民文化会館」という名前だったホールは

ホクト文化ホールに名前が変わっています。


これってどういうことだか、ご存知の方はあまり多くないと思うけど

今、日本中の会館は、これまでのように自主興行ができなくなっています。

細かい難しいことは分からないけど

数年前から、文化事業に対してお金が降りてこないみたいなんです。

全国的に、コンサートなどの開催は出来にくくなっています。

たとえ全国的に有名な歌手の方々であっても

各地でのコンサートが数年前より数が減っていることに

みなさんお気づきでしょうか。。。


「ホクト文化ホール」という名の通り

キノコで有名なホクトという企業さんが

この会館についたことは、とっても心強いことです。


オリンピックの頃、小さな企業が選手を応援する姿を

ご覧になった方も多いと思うのですが

この日本という国において、文化やスポーツは二の次で

『勝手に個人個人が頑張る』しか、続ける術がないのが現状です。


全国的・世界的に注目を集めるチャンスが、スポーツには何度かあるけど

音楽などを始めとする「文化」には、そのようなチャンスが

あまり多くはありません。

音楽だけでなく舞台演劇などもそうですが

マスコミも、あまりついてこないのが現状です。


こんなに先進国と言われている国で

文化、特に自国の文化を大切にしていない国は日本だけだと思います。

だって、国の楽団すら、存在しない国ですから・・・

韓国などは、韓国の伝統音楽の楽団が、国立で存在します。

もちろん中国もです。

そんな厳しい情勢の中、個人の力で音楽活動を続けてゆくことが

どれだけ困難か、それをやりたい人はやってればいいと

保護も補助もしてもらえないのは、

どれだけギスギスした国なんだろうと思ってしまいます。

世界的にも評価の高い歌舞伎にしても

もっと国の補助があるとさらに広がると思います。


このご時世ですから、どんなお仕事の人でも企業でも

国から補助を欲しいとか、もちろん思っていると思いますが

せめて、活動の場所をこれ以上減らす原因を

国などが作ることは止めてほしい!と思っています。


結局のところ、音楽に関しては

聴いてくれる方々によって、支えられています。

特に伝統のものは朱鷺のように

日本に数人しかいなくなってからあわてて保護しようって言ったって

無理な話ですよね〜。

伝統的なものでも新しいものでもそうですが

もうちょっと、音楽や文化の価値を

認めてもらえる世のなかになるといいな〜と

心から思います!!



posted by 宮西 希 at 17:46| Comment(0) | コンサート
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