乳がん検診に娘を連れて出かけた日のこと。
半年ごとに通っているけれど
今回はマンモグラフィーを撮るので
待合室のソファの1番端っこに、靴を脱がせ
ボーロを袋入りだと落としやすいので
7割くらい小さなタッパーに入れ換えて
お気に入りのスムージーと一緒に持たせて
娘を置いていった。
一度待合室に戻るつもりが、そのまま診察になり
結果的に娘は、15分以上待たせることに。
生後2ヶ月から、私がいない時間を何度も過ごしているので
私がいないというだけでは、泣きはしないし
まぁ2歳の今なら一人でも待っていられるし
待つことは大丈夫だろうとは思っていたけれど
何かやらかしていないか、そっちが心配。
戻って娘の前にしゃがんでみたら
案の定、平気などころか
勝手に私のカバンのポケットからボーロの袋を取り出し
おかわりして食べ尽くしていたのにびっくりして
笑いながら、いい子に待っていてくれた?と話していると
1番遠くの席に座っていた年配のご婦人が
席を立って、私たちのところへやっていらした。
もしかして、お菓子をこぼした?
ボーロだから、細かく砕けちゃってソファーの溝に入ったとか?
それとも、うるさかった?
それ以前に、置き去りを咎められる?
一瞬ドキッとして、逆らわないようにしよう
先にすみませんって言った方が良いかな?と思っていたら
わざわざ私の目線にまで腰を落とし
娘の歳を聞いたあと
「なんて良い子!微動だにしないで待ってたのよ」
たくさんたくさん娘を褒めてくれ
どうやって待っていたのかを、私に伝えてくれた。
きっと、気になってずっと見守っていてくださったのだろう。
そしてその最後に
「あなた、素晴らしい子育てなさってる」と
私に、優しい言葉をかけてにっこりしてくださった。
思わず涙がジワッ。
わざわざ1番遠い席から、それを言うために
立ってこちらに来てくださって
しかも私に合わせて、しゃがんでお話しして下さって。
本当にジーンと嬉しくて。
ママは子連れで出かける時
勝手にかもしれないけど、結構色んな見えないプレッシャーと戦っている。
そんなとき、こういうやさしい言葉を頂くと
がんばろう!って思えるし
そのあと娘にもやさしくなれる(笑)
子どもは社会(つまり周りの人)も一緒に育ててくれるものって言うけれど
ママを支えて育ててもくれるのも、周りの人たち。
子育てしづらい社会、と言われて久しい日本だけれど
私が出会う名前も知らない方々は
本当にたくさん、たくさん手を貸してくれる。
電車の中でも、バスの中でも
道端でも、階段でも、お店の中でも
人の優しさや温かさに、何度も泣けている。
メディアは、センセーショナルなことが好きだし
こういうことがピックアップされにくいのも
わかるけど
でも、やさしい人たちが今の日本にもたくさん、たくさんいるって
「こんな日本で子どもを持つなんて無理!」って
過去の私みたいに思っている方々に伝えたいし
産んでみても大丈夫だよって、伝えたい。
そして、その時「ありがとう」の一言しか言えないのだけれど
家に帰ってからも
何日も経ってからも
思い出し、胸が熱くなり
よし、またがんばろうって
その後の子育てのパワーになっていることを
助けてくれた大勢の方にも伝えたいなって思うし
なるべくたくさん、そういう出来事を
私自身が覚えていたいって思う。
